ということは……

 もう来年、私も成人式ですか。
 来年がちょうど昭和生まれ最後の成人式になりますな。
 随分年を取ったものです。ここら辺まで来ると、今まではなんだか大人の階段を一歩登ったように感じられ、無垢に喜んでいた誕生日も、嬉しくもなんともなくなってきて、ただ時間が随分流れたことだけが脳裏に浮かびます。この間の8017F引退もそうでした、自分がかつて使っていた東横線とは違う路線になってきましたね(5050系ばかり増えて)。
 大晦日日経新聞のコラム、「春秋」は秀逸でした。カウントダウンイベントもいいけど、我々が使っている時間はあくまで人間が決めたことで、宇宙の壮大な時間の流れに比べればなんでもない。だから時計を気にせず、ふと、気がついたら年が明けていたという年越しも良いのではといった内容でした。その通りだと思いました。幾年か前、雪の降りしきる福島県飯坂温泉の露天風呂に入浴しつつ、顔に感じるわずかな雪の感触と暖かいお湯に包まれながら、いつの間にか迎えていた、新しい年は格別のものがありました。
 人間は自らが作り出した「時間」という概念に束縛されて生きています。人間が「時間」という概念を思いつかなかったら、この地球上に「時間」などなかったかもしれません。そう考えると、僕が来年に成人を迎えることに、一体何の意味があるのだかわからなくなります。