2009-01-01から1年間の記事一覧

今回もコミケ出展します!

といっても委託という形ですが。 3日目「西れ09a」にて人気漫画(+アニメ)「けいおん!」の二次創作作品を配布いたします。現在印刷中。 今のところ無料にする予定ですが、ひょっとしたら100円になるかもしれません。 既刊は涼宮ハルヒの二次創作を置…

松田美智子著「完全なる飼育 メイド、for you」幻冬舎アウトロー文庫

全く予備知識なしで読みました。どうやら人気のシリーズ第7作目のようで。竹中直人が毎回出ているとか何とか。 えーっと、感想から言えばタイトル負けです。これ、もっとドロドロな展開を予想していたのですが、途中からあっさり純愛系の「いい話」に落ち着…

飯野文彦著「バッド・チューニング」早川書房

角川ホラー大賞でかの「バトルロワイヤル」よりも物議を醸してとうとう出版に至った飯野文彦「バッドチューニング」が最高にキチガイだった。序盤から主人公が狂っていて、物語で「起承転結」があるとすれば、「転」の部分はひたすら主人公がババアのケツを…

「リトルバスターズ! ノベルアンソロジー」一迅社

全体的に、キャラクターの研究はわりとみなさん努力しているようで、コミカルなシーンは良かったんですが、シリアス路線に向かうと麻枝さんには到底かなわないようです。 クドが名探偵になって事件をアホらしく解決する話はわりと楽しめました。しかし、最後…

松智洋「迷い猫オーバーラン」スーパーダッシュ文庫

表紙はいいのに中のイラストは残念。作品の内容はもっと残念すぎる……。 こういう作品ってアニメ化しちゃった方が案外面白くなるのかもしれませんね。「生徒会の一存」とかとくにそうですし。 とりあえず、ギャグ路線で行くならギャグ路線で突き進んで欲しい…

壱月龍一著「ラのべつまくなし」ガガガ文庫

さて、やってまいりましたガガガ文庫の大収穫作品! ガガガ文庫は一方で絶望的につまらない作品が存在していながら、こういった超傑作も輩出してくれるレーベルです。 読んでいる最中、先が気になって気になってしょうがなくなり、もう大興奮でした。読後感…

星山温泉と北鎌倉の寺社

本日も稲龍神山スポーツランド行ってきました(詳細は2009年5月13日の日記参照)。いやはや、いつ行ってもいいものです。日当たりが悪く、水気があってなかなか焚き火がつかないと主人の方は嘆いていましたね。 それから北鎌倉へ移動。次に向かったのは東慶…

猫砂一平著「末代まで!」角川スニーカー文庫

6年ぶりにでた角川学園小説大賞のすんごい新人。なにがすごいかというと、ラノベの文章+イラスト、さらには劇中歌の作曲までこなすマルチな才能。 ギャグ部分は面白いです。ずっとコメディーなのかと思いきや、しっかりとした設定が挟まれていて、またはさ…

連城三紀彦著「戻り川心中」光文社

途中でオチがわかってしまいましたが、それでもこの文章の流麗さとトリックの融合はうなるものがあります。 戻り川心中 (光文社文庫)作者: 連城三紀彦出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/01/01メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 42回この商品を含むブログ…

文学フリマ案内

12月6日、京急蒲田近くの大田区産業プラザPIOにて文学フリマが行われます。 D-13「KSD有志@創作例会」販売物は以下のとおり。 ・どうしてこうなった!(短編集、300円) ・闇夜のステップ(既刊、200円) ・闇夜のアリア(既刊、200円) ・レクイエム…

「キノの旅」と旅をめぐる話

人気ライトノベル「キノの旅」をご存じだろうか。寓話的だとか、あとがきがメタ的で面白いとか、様々な批評があるとは思うが、今回はこれを題材に作品自体の面白さと現実における旅行の意味を考えてみたい。というのも、以前母校の入試問題(過去問)で、固…

詠坂雄二著「電氣人間の虞」光文社

電気人間なんて、いない。 そう言って、彼女は死んだ。 見ろ、世界が歪んでいるぜ! 前半はおどろおどろしい雰囲気が漂うものの、ミステリーとしては案外まともな方向へ収束した。問題なのはラスト一行。ここでぶっ飛ぶ。いわゆるバカミスというのと全く違う…

赤いへやの殺人

遅ればせながらちょっと宣伝をば。 http://www.geocities.jp/kikuties/red/ 自作長編小説「赤いへやの殺人」大学に入ってから気合入れて書いた長編推理小説をネット上に公開するのはこれが初となります。多分、エルコラーノの密室辺りからはだいぶ作風が変わ…

けいおん!論

http://blog.television.co.jp/anime/animekai/2009/06/post_458.html ↑とりあえずここの文章読んでみてください。 なるほどね。この文章もわりと納得したけど(いやまあ、萌えだ!萌えだ!と力説されても困るのだが)、一文学部生としてあえて反論してみる。…

文学フリマのお知らせ

文学フリマに出展します。今回から、サークル名を以下のように変更しております。ご注意ください。D-13 KSD有志@創作例会12月6日、京急蒲田駅前の大田区産業プラザPIOで行われます。 ぜひ、足をお運びください。 http://bunfree.net/

飛鳥部勝則著「冬のスフィンクス」光文社文庫

期待していただけに残念だった。これというトリックがない。設定が魅力的なのに、うまく解決していない気がどうしても否めない。うーん。冬のスフィンクス (光文社文庫)作者: 飛鳥部勝則出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/01/12メディア: 文庫 クリック: …

澁澤龍彦著「エロティシズム」中公文庫

むしろ、どうして今まで読んでいなかったのかが不思議になってくる一冊。章ごとに各テーマを取り上げ、フロイトの理論を軸に澁澤さんがわかりやすく解説していただける良書。童話に隠されたメタファーはもちろん興味深いし、その他思わず頷いてしまう記事が…

再読・浦賀和宏著「記憶の果て」講談社

この作品に出会ったのは今から3年以上も前だろうか。それ以来、自分の既読小説の中でもワンオブザベストに挙がり続け、現在でもその評価はゆるぎない。最近、鼻くそをほじりながら「純菜シリーズも悪くはないよぉ」と吹聴していたが、やっぱり読み返してみ…

伏見つかさ著「俺の妹がこんなに可愛いわけがない4」電撃文庫

相変わらず面白い。クロスチャンネルネタがあって私は歓喜した。そんなに話は進まないが、ラストは要注意。ようやく桐乃が普通のツンデレ並みにデレ始めたなぁと感慨深く思っていたら、なるほどそういうことなのねという具合。この先、どのように展開してい…

飛鳥部勝則著「砂漠の薔薇」光文社

久々に脳髄クリティカルヒットするミステリーに出会いましたよ。 いわゆる「奇人変人ミステリ」。要は登場人物みんなキチガイという作品で、某レビューだと「狂いすぎている」という評価だったが、僕にはこのくらいがちょうどいい塩梅だった。 おばさん画家…

映画「空気人形」考察

http://www.kuuki-ningyo.com/index.html (この日記には作品のネタばれを含みます。注意!)原作は漫画家の業田良家。当該作は読んだことなかったものの、「自虐の詩」は有名。 主人公は性欲処理用の空気人形で、普段はおっさんの元で寵愛を受けているもの…

浅暮三文著「ポケットは犯罪のために 武蔵野クライムストーリー」講談社ノベルス

ははーん。 これは浅暮三文の小説の中で一番面白かったかもしれない。 まず、文章が読みやすいwww 短編かついつもより軽快な文体でストーリーがずんずん進んでいくので、浅暮三文の文章が苦手な人でも読めるはず。 そしてお洒落な小ネタがわりと面白い。…

浅暮三文著「錆びたブルー」角川春樹事務所

例の五感シリーズで、今回のテーマは「第六感」。なんか、もう途中までさっぱりわけの分からない作品。解決篇は一応あるのだけれども、それに至るまでの過程が本当にわけがわからない。まず、主人公は誰なんだ。そこから疑問点。何だこれ。 ブログのレビュー…

浅暮三文著「嘘猫」光文社文庫

作者の自叙伝的小説。ノンフィクションらしいが、主人公と猫が普通に会話したりする。浅暮三文が貧乏なころに猫を飼うハートウォーミングな話で、ミステリーではないが普通の面白かった。猫が飼いたくなる小説。嘘 猫 (光文社文庫)作者: 浅暮三文出版社/メー…

浅暮三文著「左眼を忘れた男」講談社ノベルス

自分の左目が体から離れ、行方の知れぬ旅に出るのを植物人間状態の主人公が見守るお話。最後の方は面白かったが、相変わらず中盤は中だるみするし、ミステリ性には欠ける。あ、でも「カニスの血を嗣ぐ」よりは面白かった。左眼を忘れた男―I wanna see you (…

浅暮三文著「夜聖の少年」徳間デュアル文庫

結構面白かった。最初はなんだかありがちなSFだなーと思い、中盤までそのイメージが払拭できなかったけれども、後半はわりとストーリーが盛り上がってくれたのでイッキに読めた。そして後書き読んで大爆笑。フレイザー「金枝篇」とか、そこいらの文化人類学…

松浦純菜シリーズ総論

○浦賀和宏著「さよなら純菜、そして不死の怪物」講談社 ○浦賀和宏著「世界でいちばん醜い子供」講談社 ○浦賀和宏著「堕ちた天使と金色の悪魔」講談社 ○浦賀和宏著「地球人類最後の事件」講談社 ○浦賀和宏著「生まれ来る子供たちのために」講談社 いやあ、予…

街並みの日本的秩序

中学生の頃から東京都心を散歩するのが好きだった。子供の頃から西欧の街並みは整然としていて、日本のはごちゃごちゃしているという印象があった。日本の無秩序な都市計画に嫌気を差すこともあったが、このごちゃごちゃ感こそが日本のアイデンティティーな…

飴村行著「粘膜蜥蜴」角川ホラー文庫

これは今年読んだ本の中で一番の面白さである。 前作の粘膜人間は単なるエログロ小説であったが、今回は様々なストーリーが錯綜し、最後に収斂し、得体の知れない感動を大いに引き寄せる大作となっている。 あっぱれとしか言いようがない。 まずはこの想像力…

浅暮三文著「カニスの血を嗣ぐ」講談社ノベルス

うーん、これは微妙。 「石の中の蜘蛛」と同様、嗅覚の異常に発達した男が謎の女を追っていく話なのだが、文章が長く、とても中だるみをするので石の中の蜘蛛ほどワクワク感がない。そしてミステリー的にもよろしくない。「石の中の蜘蛛」が良作だっただけに…