浅暮三文著「カニスの血を嗣ぐ」講談社ノベルス

うーん、これは微妙。
「石の中の蜘蛛」と同様、嗅覚の異常に発達した男が謎の女を追っていく話なのだが、文章が長く、とても中だるみをするので石の中の蜘蛛ほどワクワク感がない。そしてミステリー的にもよろしくない。「石の中の蜘蛛」が良作だっただけに残念。
「石の中の蜘蛛」の主人公がハードボイルドだったのに対し、こっちの主人公は匂いにやられて苦しむへタレだからなあ。頑張りは認めるが、萌えない。
あとしいていえば、犬こわいよ犬。
犬が怖くなる話。まあ、やっていることは当然だが。

カニスの血を嗣ぐ (講談社ノベルス)

カニスの血を嗣ぐ (講談社ノベルス)