2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

鮎川哲也著「黒いトランク」創元推理文庫

とにかくロジック。破綻のない論理的推理過程は見事だが、全編にわたって緻密な推理であるため、目玉が飛び出るようなどでかいストーリー展開はないし、エンターテイメント性は残念ながら皆無である。ロジックが好きな人向けにあるような小説。単なる鉄道好…

デュマ・フィス著「椿姫」岩波文庫

文句なしに面白い。訳が読みやすかった。 古典でこんなにはまったのは久しぶりかも知れない。古典を読むのが久しぶりなせいかもしれないけど、それはともかく素晴らしかった。 ヒロインのマルグリットの華やかさがもの凄く魅力的で、それに対して主人公の駄…

恐山訪問記 第5章「北端」

翌朝、朝5時30分頃に目が覚めてしまったので浴室へ向かうと、既に大浴場は結構混雑していた。東北の人は本当に朝が早い。さっと入浴して部屋に戻り、出発準備を整えたあと朝食を頂く。7時40分に宿を出発し、30分ほどかけてひたすら大間崎へ向けて歩…

恐山訪問記 第4章「光陰」

むつバスターミナルはむつ市の交通の要衝であり、昔ながらの趣を残した施設である。 幕式の発車案内が残っていて、運賃が全て書かれた表もある。窓口があり、乗車券の販売は行わないらしいが(定期券販売はこちら)、発車案内と発車ブザーはこちらから行う。…

恐山訪問記 第3章「菩提」

賽の河原へ行く前に温泉で一休憩。最初に行ったのは古滝の湯の隣にある「冷抜の湯」。入山者は何度でも無料で入ることが出来る。木張りの床に浴槽が二つあるだけのシンプルな施設。ロッカーもなにもなく、むしろ浴槽から脱衣所が丸見えなので特に盗難の心配…

恐山訪問記 第2章「入山」

透き通るような快晴だった。風が強く、気温は高いけれども涼しい。 門の外には蓮華庵と呼ばれる食事処、土産屋、そして名物霊場ソフトの売店がある。これは後でいただこうと考え、さっそく入山受付所で入山料の500円を支払い、中へ入っていった。はっきり…

恐山訪問記 第1章「出発」

かねてから恐山に行きたかったものの、都心からだとなかなか遠い場所であり、Wikipediaで調べると「観光客が気軽な気持ちで訪ねると祟られる」なんて書かれていたので、ちょっと遠慮がちになっていた節があったのだが、今回うまくスケジュールを整えることに…

歌野晶午著「絶望ノート」幻冬舎

一部で「デスノート疑惑」が上がっていた本著。少年がいじめの苦といじめっ子への恨みつらみをノートに書きつづっていると、本当に死んじゃった! というお話。 杉江松恋氏がミステリーとして評価していたので読んでみた。確かに、作者は本格ミステリーを意…

「乗りつぶし」最大の落とし穴とは?

特に過疎部に多いが、鉄道をひいてしまったために現地住民が都会へ逃げ出し、町が寂れてしまったという現象が日本のいたるところで起こっている。代表的なのは新幹線の建設に莫大な費用を投じ、予想される結果が得られなかったために財政難に陥っている山形…

文化融合

これは素晴らしい!!! 90年代文化とゼロ年代文化が見事にマッチング。 それにしても、ニコニコ動画のコメントでどうやらセーラームーンを知らない世代が出てきているらしい……。 うーん、年を取った……のか?

浦賀和宏著「萩原重化学工業連続殺人事件」講談社ノベルス

あの男が帰ってきた! 500ページを越えるノベルス作品をたった今読み終えた。震えたぜ! 「記憶の果て」「記号を喰う魔女」「透明人間」あたりの初期浦賀作品がここに蘇った! 素晴らしい! いやー楽しかった。 かなりぶっ飛んだ作品で、とにかくスケール…

夜寝れない

近頃まで、夜に寝れないという事態はほとんど起こらなかったが、最近は妙に覚醒してしまい、寝ようと思っても全然駄目な時がある。今もそうで、ああだこうだと思考を巡らせながら、PCに向かって文章を打っている。 陳腐な言い方をすれば、その原因は至極簡…

中里十著「どろぼうの名人」ガガガ文庫

「いたいけな主人」がすごかっただけに、戻って読んでみたらたいしたことなかったorz 多分これを書いた後で、編集部から「もっと百合を!」って言われたんでしょうね。まあ、多分正しい判断(笑)しめ子さんの絵が素敵です。 [rakuten:book:13066206:detail]

三葉著「身体も心もボクのもの はじめてのSMガイド」一迅社

大ヒット作「30歳の保健体育」の続刊がこれ。 わりと詳しい。 当たり前のことがもっともらしく書いてあってとても面白かった。 しいていうなら「Mの楽しみ」の章はもうちょっと長くてもいい気がするけど、まあ入門書として不備はないだろう。 本当にやろ…

いけぶく論

池袋。埼玉の玄関口。 実際、都心の人にはあまり馴染みのない場所だろう。神奈川の人は渋谷で事を済ませるし、都内であれば新宿行くか銀座行くかという感じである。池袋は「副都心」という命名をされているが、「若者の街」としてのアイデンティティーが確立…

現大学生について

はっきり言って元気がない。 リア充と呼ばれるような連中はとりあえず騒いで空回りしているだけだし、その周縁部にいるようなおたく、プチおたくはリア充に対してルサンチマンを溜めて結局何もやらないだけだ。 自らのイデオロギーのために学生運動をやって…

ささやかなこと

鉄道関係のバイトをやっていると、大人の傲慢さというか、マナーの悪さが目についてしまうことが多いが、たまにとても心温まるエピソードに巡り会うことができる。 列車が発車する時、ホームの先頭付近、階段際に立っていた小さい子供が嬉しそうな顔をして列…

朝日新聞に電凸

うーん、ちょっと対応がひどいな。 しかし、録音したのはすごい……。

SNSと感情表現

最近、他人の感情をかいま見てしまうことが多い。僕が殊に文章の深読みが優れていると言っているのではなくて、ブログやSNSなどで文章の背後にあっさりと感情を染み込ませていろんな人に公開してしまっている状態が非常に多く見受けられる。 うーん、どう…