歌野晶午著「絶望ノート」幻冬舎

 一部で「デスノート疑惑」が上がっていた本著。少年がいじめの苦といじめっ子への恨みつらみをノートに書きつづっていると、本当に死んじゃった! というお話。
 杉江松恋氏がミステリーとして評価していたので読んでみた。確かに、作者は本格ミステリーを意識しているとは思った。けれども、メイントリックがなんというか、谷崎潤一郎の某作品を応用させた、という域を出ることはなく、ラストの蛇足もなんだかなあ、という感じ。まあ、ストーリー自体はすこぶる面白い。結構いろんなことがあるので、読んでいる最中はワクワクだった。ミステリーというよりも、ふつーの本として面白いかも。超おすすめはしないけれども。

絶望ノート

絶望ノート