ささやかなこと

 鉄道関係のバイトをやっていると、大人の傲慢さというか、マナーの悪さが目についてしまうことが多いが、たまにとても心温まるエピソードに巡り会うことができる。

 列車が発車する時、ホームの先頭付近、階段際に立っていた小さい子供が嬉しそうな顔をして列車に手を振っていた。
 運転手は気を効かせて、汽笛を一発鳴らしてくれた。
 子供は舞い上がり、そのことを母親に自慢しながら、いつまでも列車に手を振っていた。