浅暮三文著「夜聖の少年」徳間デュアル文庫

 結構面白かった。最初はなんだかありがちなSFだなーと思い、中盤までそのイメージが払拭できなかったけれども、後半はわりとストーリーが盛り上がってくれたのでイッキに読めた。そして後書き読んで大爆笑。フレイザー金枝篇」とか、そこいらの文化人類学的ファクターが各ディテールの元ネタになっていることを延々と書いてあって、おいおいこれがジュブナイル向けビルドゥングスSF小説の後書きかよと突っ込みたくなった。まあ、若き少年少女がフレイザーに興味を持っていただければ非常にいいことなのですが。

文化人類学といえば、かの有名なレビィ=ストロースがこの間亡くなりましたね。彼の打ち出した構造主義は後の学問に多大な影響を与えました。中沢新一などもレビィ=ストロースがいなければ独自の理論を打ち出せなかったかもしれません。ご冥福をお祈りします。

夜聖の少年 (徳間デュアル文庫)

夜聖の少年 (徳間デュアル文庫)