飛鳥部勝則著「砂漠の薔薇」光文社

久々に脳髄クリティカルヒットするミステリーに出会いましたよ。
いわゆる「奇人変人ミステリ」。要は登場人物みんなキチガイという作品で、某レビューだと「狂いすぎている」という評価だったが、僕にはこのくらいがちょうどいい塩梅だった。
おばさん画家のもとに主人公の女の子がモデルとして通い始めて、「首のない死体」モノの殺人事件が勃発。キリスト教の裏話とか、西欧の宗教絵画に興味がある人にお勧め。
ミステリー的に素晴らしいトリックを使っていたわけではないのだが、「ああ、そうか、そこか、やられた」という敗北感(?)は存分に味わえる。若干姑息だけど(笑)
 あとはもう、ひたすら私の好きな世界が展開されていてもう最高でした。万人にはお勧めしませんが、「堕天使拷問刑」にまあまあ以上の評価を与えた人なら普通に読んでいいと思う。文章読みやすいからあっという間に読めるし。

 よし、飛鳥部勝則はもっと読もう。

砂漠の薔薇 (光文社文庫)

砂漠の薔薇 (光文社文庫)