猫砂一平著「末代まで!」角川スニーカー文庫

 6年ぶりにでた角川学園小説大賞のすんごい新人。なにがすごいかというと、ラノベの文章+イラスト、さらには劇中歌の作曲までこなすマルチな才能。
 ギャグ部分は面白いです。ずっとコメディーなのかと思いきや、しっかりとした設定が挟まれていて、またはさみ方も上手い。文章もなかなか。
 ただし、この人想像力がぶっ飛んでいる。
 どうしてストーリーの主軸がこうなってしまうのだろうか……。発想が異次元にあるとしか思えません。そのため、一体何を狙った作品なのか良くわからなかったり、主人公の影が薄かったり(幽霊的な意味でという駄洒落ではなく)、なんとも評価しがたい作品です。
 しかし、この一冊に詰まっている作者のあふれんばかりのセンスは見もの。