引退イベントは大混雑

 また一つ、時代が終わった気がしました。
 1月13日、8017Fが引退し、これで東横線から8000系車両は遂にいなくなってしまいました。カブキ塗装の東急8000系は最後です。
 当日は鉄な方々が東横線各駅・各撮影スポットに大集結し、とんでもない混雑になっていました。こんなに集まるのは、よほどこの車両が愛されていたということでしょう。グッツ販売などもあり、またラストランに際して東急側が様々な意匠を凝らしていました。
 車内広告は全て「8000系の駆け抜けた時代」や元住吉三区の紹介などのポスターに換えられ、「手先の器用な運転士を選抜し、マークを作成した」「休憩時間を返上してイベント対応にあたった」「私がマークをデザインしました」など、どれもこれも自社の車両をすごく愛しているんだろうなという気持ちが伝わってきて、感動しっぱなしでした。桜吹雪の舞う「さようなら8000系」のヘッドマークが取り付けられ、LED行き先表示灯はこの日のためにわざわざ方向幕に置き換えられていました(これは凄いですよね)。
 渋谷駅では駅員が花束を持っていて、温かい目で最後の有志を見守っていました。僕は混雑している先頭車を避けてわりと空いているM車に乗り、東横線最後となるチョッパ制御の音を聞きながら、自分の小学生時代からこの車両にお世話になった記憶を思い出して、随分感慨深くなっていました。元住吉でホームに降り立ち、拍手をしながら回送電車を見送る時は思わず涙を零してしまい、8000系がいなくなってしまって非常に悲しいですが、8000系にとっては最高の引退式になったかと思います。会社からも地域住民からも長年愛され続けた車両でしたから。
 本当にありがとうございました。東横線を駆け抜けるその姿を、一生忘れないでしょう。