劇場版「空の境界」 第二章:殺人考察(前)

 不真面目に感想を書くとしたら、売店で売ってたクリアファイルにはでかでかと黒桐鮮花様のイラストが入っていたのに、今回はおまけにすら入っていなくて非常にショックをうけました。でも、ヤンデレが気になってしょうがない私としては両儀式のあのシーンは本当にたまらなかったです、はい。あれ見ただけで満足ですね。いや〜ufotableは素晴らしい。

 そろそろ真面目に書かねば。
 一つ気になったことがあるんですよ。いわゆる最近の作品ってhttp://d.hatena.ne.jp/kikuties/20080123で述べたように男が非常にヘボいじゃないですか。「灼眼のシャナ」の主人公とか、はり倒したくなるくらいへたれですよね(笑)。それじゃあ、黒桐幹也君はどうなのか、っていうことなんです。
 第一章もそうでしたが、最初は「馬鹿だなこいつ」という感想を抱く。けれども、ストーリーが進むにつれて、だんだん単なるヘボい人ではなくなってくるんですよね。両儀式が作中で述べたように、黒桐幹也は結局のところ確かにアホではあるんですけど、それと同時に「こいつ凄いな」という感想を抱いてしまうんです。
 僕は月姫の主人公も嫌いでしょうがないんですが(笑)、黒桐幹也は憎めないというか、アホなんだけど奈須きのこ特有の輝きを持っているような気がしてしょうがない。そうじゃなきゃ、雨の時も雪の時も式を監視なんてしないでしょう(それにしても、幹也の兄貴が警察という国家権力の象徴で働いているというのは面白い設定ですよね、幹也も果たして国家運営に支障を来す異常人格者を更生させる国家政策の一翼を担っているのかなとも考えましたが、野暮になるし幹也自信も好きだからと言う理由を付していたので深読みはやめます)。まあ、良い意味で世間からずれているんだと思いますよ。ずれてなきゃ両儀式も目を付けないだろうし。
 空の境界奈須きのこが以前から構想していた小説で、やはりその原点が美少女ゲームではない、ということが、黒桐幹也が単なるヘタレではなく、作品に呼応する重大で人間味のある主人公として存在できている理由なのでしょう、きっと。

そして次章はいよいよ浅上藤乃との対決(?)です。これは見るしかない。