ノヴァーリス著「青い花」岩波文庫

 神保町で安いのを探していたら、昭和三五年版、定価80円と表記されたものが210円で売られていました(笑)。訳は小牧健夫さん。現在の訳は青山隆夫さんという方らしいですね。
 ストーリーは詩人の話、ということになっていますが、とにかく様々なドラマがあって、世界観が壮大な物語です。話自体は途中でとぎれていて、未完ということらしいですが、かなり読み応えはあります。訳が古かったので読みにくかったのですが、坑夫の考察や川の考察など、非常に興味深い内容もありましたし、ロマンチックな恋物語も挿入されています。作品が古いので取っつきにくいかもしれませんが、読むだけで幻想の世界へ誘ってくれます。冒頭のシーンが結構魅力的なので、最初を読んで気になるようだったら読んでみるというのも良いかも知れません。

青い花 (岩波文庫)

青い花 (岩波文庫)