きくらげがお勧めする本100選!!
作家は被らないようにしました(これが大変だった)。順番はめちゃくちゃです。
サークルの例会課題作、新書、ライトノベルなども混ざっています。
ちょっとしたレビューも付けました。
コメント頂ければ幸いです。
●村上春樹 スプートニクの恋人
ハルキは高校までに読んでおきましょう。世界の終わりとハードボイルド(ryも良いけどね。
●笙野頼子 タイムスリップコンビナート
本人は夢をそのまま小説化したと言っているけど果たしてどうなのか。海芝浦へ行く奇妙すぎる話。
●山田詠美 風葬の教室
「僕は勉強ができない」もいいけど、リアルな「重さ」があるこちらを推奨。黒人モノは好きではない。
●三島由紀夫 美しい星
金閣寺や春の雪などと迷った挙げ句ユニークなこれを推奨。核問題まで扱う三島の天才性。
●谷崎潤一郎 痴人の愛
ナオミちゃんは日本文学界に燦然と輝く美少女。魅惑的な悪魔を生み出したエロオヤジ谷崎に乾杯。
●太宰治 津軽
太宰が紀行文を書くとこうなります。何よりラストが秀逸。人間臭さがすばらしい。
●池澤夏樹 真昼のプリニウス
自然の描写がうまいんだよね。彼に恋愛モノを書かせるとわりと微妙なことになるけど。
●森博嗣 笑わない数学者
トリック自体は単純だが、宇宙に広がる世界観がたまらなく好き。トリックとテーマの融合が見事。
●夢野久作 ドグラマグラ
チャカポコ、チャカポコのリズムにあわせてどんどん気が狂っていく小説。あなたは読後生還できるか。
●中島敦 山月記
文体が格好いい。光景が目に浮かんでくるようで。爽快。
●浦賀和宏 記号を喰う魔女
この凄惨さを書けるのは浦賀だけ! すごいぜの一言。他に「地球平面委員会」も必読。
●角田光代 対岸の彼女
なかなか良いことを書く。子供が頑張るエピソードが面白いかな。「空中庭園」も良し。
●小川洋子 密やかな結晶
批評家はいろいろ批判しているみたいだけど、この空虚な感覚は嫌いではない。
●高田祟史 ベイカー街の問題
シャーロックホームズが好きなら読むべし。キャラもいい。ファンなら楽しい。
●ゴールディング 蠅の王
アンチ十五少年漂流記、人間のダークな深層心理がリアルに描かれる作品。理性が獣性に変わる数日間。
●ツルゲーネフ はつ恋
ロシア文学にしては短めなのでお勧めですよ。展開されるストーリーはすごいけど。
●乾くるみ Jの神話
自称エロい人は必読。出だしはありがちな話だが、誰も予想できない衝撃的なラストが待っている。
●野沢尚 破線のマリス
1990年代に乱歩賞で流行ったミステリだか何だかよくわからない傾向が最も良い方向に出た作品。
●ドストエフスキー 罪と罰
史上最高の恋愛小説にしてミステリーの要素を孕み、永遠の大傑作文学。無人島に一冊持っていくならこれ。
●井沢元彦 猿丸幻視行
柿本人麻呂などの和歌に秘められた暗号を説く。日本史が好きなら読むと非常に楽しい。
●京極夏彦 絡新婦の理
「魍魎の匣」と迷った挙げ句こちらに。最後の最後で度肝を抜かれる。さすが京極。
●シェイクスピア コリオレイナス
マイナーな作品だけど主人公が非常に格好良い。機会あれば英語で読んでみたい。
●中井英夫 虚無への供物
アンチミステリーの巨匠。色々ミステリー要素がちりばめられていて勉強になります。
●ホーソン 緋文字
人妻との姦通事件に関する話。悲惨な境遇の中、必死に生きる主人公に感動。
●我孫子武丸 殺戮にいたる病
事件のテンポもよく、ちゃんとミステリーになっているのがすごい。すごいんです。
●ル・グゥイン ゲド戦記2 壊れた腕輪
やっぱり2巻だよね。1もモチーフ的には重要だけど。2巻のドラマチックさがたまらない。
●梶井基次郎 檸檬
冴え渡る感覚が新鮮で秀逸。短編ながらも情感がこみあげてくる。溢れてくる。
●星新一 マイ国家
国家という制度に疑問を呈した作品。良くもまあこんなに短編のアイデアを思いついたものです。
●霧舎巧 ドッペルゲンガー宮
なんというか、常識を覆されます。ちなみにこれ以降の霧舎は読まなくて良いと思う。
●ミランクンデラ 存在の耐えられない軽さ
最後の章の爽快感のために前半を我慢する典型的な本です。内容は全然典型的じゃないけど。
●川田弥一郎 白い狂気の島
孤島でのパニックがわりと良く書けているかなという感じ。青春だよね。
●小酒井不木 恋愛曲線
これが乱歩登場以前に書かれていたのはすごい。科学的な世界観も面白い。美しい、本物の恋愛小説。
●遠藤周作 沈黙
やはりこの「重さ」は小説でしか味わえないもの。背筋が震える感覚を堪能するべし。
●宮沢賢治 銀河鉄道の夜
科学的な事項もちゃんとすくい取って幻想文学を仕立てた名作。
●有栖川有栖 マジックミラー
限界かと思われていたダイヤトリックに一石を投じた有栖川の名作。幽霊刑事もお勧め。
●福永武彦 草の花
この恋愛は熱い! 清純ながら、とても情熱的。そして美しい。
●小林久三 暗黒告知
足尾鉱毒事件で闘う田中正造の姿をミステリーに組み込み上手く描いた名作。
●真保裕一 連鎖
小説として完成度が高い。あっちいったりこっちいったり、翻弄されながら事件の解決へ急ぐ。
●松本清張 Dの複合
清張にしか書けないスケールがとてつもなく大きい推理小説。日本地理が好きな人ほど面白いはず。
●北山猛邦 クロック城殺人事件
トリックが新鮮でした。こういう観点はなかなか発想しにくい。
●古泉迦十 火蛾
イスラムな雰囲気も良し、宗教的なテーマとトリックの融合も見事、ゆっくり味わいたい魅惑のミステリー。
●麻耶雄嵩 夏と冬の奏鳴曲
カタストロフィーを絵に書いたような小説。桐璃かわいいよ桐璃。まさに驚天動地のトリック。
●エリザベスフェラーズ 猿来たりなば
凡庸っぽいまったりとしたストーリーながら、トリックの意外性は目を見張るもの。
●町田康 くっすん大黒
独特な文体が癖になる小説。とぎすまされたセンスが光る。
●エリックガルシア さらば愛しき鉤爪
恐竜好きの恐竜好きによる恐竜好きのためのバカミス。
●ホーガン 星を継ぐもの
Dの複合よりも更にスケールのでかい小説。SFの真骨頂にしてミステリーとの融合もピカ一。
●佐藤友哉 水没ピアノ
後先書かずに書き始めるミステリー作家の大傑作。
●サンテグジュペリ 星の王子さま
寓話に閉じこめられたメッセージは現代にも通用するもの。大人こそ読むべし。
●浅暮三文 実験小説「ぬ」
ハイセンスな短編集ながら、最後に全体を通じた仕掛けが明らかになってすごい。
●ディクソン・カー 皇帝のかぎ煙草入れ
心理小説としても非常に良くできていますね。チェックしておくべきトリック。
●コナンドイル シャーロックホームズの冒険
特にコメントはありません。シャーロキアンなら当然でしょう。
●岩下志麻子 ぼっけぇ、きょうてぇ
怖さの描写が新しい。短編ながらも非常に印象深い作品。
●夏目漱石 坊っちゃん
人のちょっと悪い部分を描くのが上手い漱石は小説の神様。物語の運びが秀逸すぎて爽快。
●阿部和重 ニッポニア・ニッポン
三島の金閣寺のオマージュ。国家批判から少年の行動まで、現代の若者の精神を描いた傑作。
●鮎川哲也 りら荘殺人事件
りら荘のリラはひらがなでお願いします。探偵役が非常に格好良いよね。混じりけのない本格ミステリー。
●米澤穂信 インシテミル
殺人ゲームが始まる。とても魅力的な設定で、ハラハラドキドキするストーリー展開。生き残るのは誰か!?
●高野和明 13階段
法学ミステリーの傑作。ちゃんとミステリーの要素に使っているのも◎。
●山口雅也 奇偶
もう読んで下さいとしか言いようのない作品。偶然の記述は全て最後のちょっとした謎解きのためにある。
●ミヒャエルエンデ モモ
過去に書かれた童話ながら、そのテーマは非常に現代的。星の王子さま同様、これも大人に読んで欲しい。
●西澤保彦 七回死んだ男
ループする世界の中、いかにして死を防ぐことができるか。以外な盲点を突いた新本格ミステリーの傑作。
●森雅裕 椿姫を見ませんか
多分これはハルヒのネタ本だと考えられる。絶版だけど、さわやかな青春ミステリー。
●ゲーテ ファウスト
後に多大な影響を残したドイツ文学の巨匠による超大作。でも意外と読みやすい。
●桜庭一樹 少女七竈と七人のかわいそうな大人
澄んだせつなさ。桜庭ならではのセンス。他に「赤朽葉家の伝説」もお勧め。
●海野十三 蠅男
戦前にこんな楽しい小説があったとは! 埋もれているのが勿体ないエログロナンセンスの大傑作。
●フケー ウンディーネ
水妖の悲しい物語。魂を得るモチーフは興味深い。
●ディケンズ クリスマスキャロル
クリスチャンでもない日本の低俗な消費社会はこれを読まずしてクリスマスを安易に祝うな!
●カフカ 変身
不思議な気分になる、思わず笑ってしまう、これはすごいと絶賛するも人次第な小説。
●ヘミングウェイ 老人と海
ハードボイルド文体の先駆者なので勉強のために読んでおきませう。
●エーコー 薔薇の名前
アンチミステリーとも読めるし、記号論小説としても読めるし、とにかく多様な読み方ができるすごい本。
●石田衣良 ブルータワー
読書の初心者にお勧め。逆に読書に慣れた人が読んでも凡庸な感想しか抱かないはず。
●西尾維新 クビキリサイクル
西尾のシリーズはあまり好きではないけど、初期では一応ミステリーやってたことを証明してくれる。
●伊坂幸太郎 ラッシュライフ
センスがいいよね伊坂は。どうやってこういう話を思いつくんだろうか。
●殊能将之 ハサミ男
新本格ミステリー入門書。これが映画化されたのが信じられない。
●島田荘司 Pの密室
いきなり斜め屋敷の犯罪を読んでしまうのも手だけど、短編ならこれがお勧め。
●江戸川乱歩 赤い部屋
芋虫と迷ったけどこちらを推薦。とても良くできています。
●安部公房 壁
自己疎外の話だけれど一読では一体何が何だかわからない。
●ノヴァーリス 青い花
一つの神話を書こうとしたんだってさ。
●岡崎隼人 少女は踊る暗い腹の中踊る
日本人がノワールをまねしてみるとこんなんできましたという感じの作品。
●竹本健治 匣の中の失楽
アンチミステリを意識して書かれたアンチミステリ。そういや「キララ、探偵す」はどうなったんだろう?
●坂牧俊子 純からの贈り物
メジャーな本ではないけど、キリスト教のことがよくわかる良い話。
●東浩紀 動物化するポストモダン
ここから新書です。現代におけるおたく論の先駆者。ゲーム的リアリズムの誕生も必読。
●永井均 これがニーチェだ
とてもわかりやすくニーチェを解説してくれますよ。
●岸田秀 性的唯幻論序説
フロイトの論を展開し、人間のエロエロな心境を上手く学術的にまとめた変態的な新書。面白い。
●押野武志 童貞としての宮沢賢治
宮沢賢治も自慰くらいしただろうというアホな書き出しで始まる新書。
●中沢新一 人類最古の哲学
カイエソバージュの第一弾。シンデレラのテーマなど、神話素や物語構成が好きななら読むべし。
●エリアーデ 神話と夢想と秘儀
神話研究の学者といえばエリアーデ。やたら小難しいけど非常に面白い。
●マルクス 経済学哲学草稿
自分はあと数十年早く生まれていたら真っ赤な思想にとらわれていたかもしれない。
●小泉八雲 日本の面影
外国人が発見した日本の魅力。これを維持する責任が日本人にはあるはず。日本を知る格好の書。
●渡部昇一 本気で作家になりたいなら夏目漱石に学べ!
テクスト主義の筆者による高度な小説テクニックの解説本。創作をする人なら必ずためになる。
●時雨沢恵一 キノの旅
これからはライトノベルです。まあ、定番な作品だけど中には泣けるものもあるので。
●谷川流 涼宮ハルヒの憂鬱
現代のライトノベルはハルヒに始まりハルヒに終わる。神がかった設定、SFとミステリーのテクニック。
●秋山瑞人 イリヤの空、UFOの夏
この人はライトノベル作家にしておくのがもったいないプロの腕の持ち主。「サイカノ」に似ているけど気にしない。
●田中ロミオ 人類は衰退しました
話の運びはほんわかだけどふと気が付くと恐ろしいブラックメルヘン。
●ゆずはらとしゆき 18時の音楽浴
海野十三の超訳。ライトノベルでここまでやってくれるのは非常に有り難い。
●佐藤大 脳Rギュル
夢野久作の超訳というか二次創作。戦前のエログロな雰囲気をひたすら楽しむ。
●久住四季 トリックスターズ
これはれっきとしたミステリーです。ライトノベルとミステリーの見事な融合。
●山川歩 学園カゲキ!
比較的うまくまとまったライトノベル。今後は果たしてどうなる事やら。
●野村美月 文学少女シリーズ
むしょうに本が読みたくなるシリーズ。遠子先輩が可愛くてしょうがない。キャラクターがストーリーでうまく活躍できている。
●奈須きのこ 空の境界
最後はこちら。ラノベだか文学だか定義付けのできない新感覚小説。奈須きのこはプロットの運びが秀逸。