シェイクスピア著「ロミオとジュリエット」岩波文庫

 素晴らしいの一言に尽きる。電車の中で読んで胸が震えて、もう少しで泣きそうだった。
 まず、ストーリーに破綻がない。二人の愛情をエゴイスティックに描くフランス文学において、周囲は単なる背景に過ぎないのだけれども(若干語弊があるかもしれないが)、シェイクスピアの場合はどんな脇役でも個性が光っていて、物語としての完成度が非常に高い。恐れ入ります。
 そして洒落ている。言葉の端々にセンスを感じる。きっと英語で読むともっと面白いんだろう。英語を勉強するのって、TOEICで点数取るためでもなく、入試に受かるためでもなく、社会的スキルを身につけるためでもなく、シェイクスピアを読むためだよなあ……。
 なんというか、奇跡の書というべきかもしれない。これに比べて、現代の日本で騒がれている恋愛小説のなんと馬鹿馬鹿しいことか……。
 とにかく読んで下さい! 最高の恋愛小説です。

ロミオとジューリエット (岩波文庫)

ロミオとジューリエット (岩波文庫)