竹宮ゆゆこ著「とらドラ4!」電撃文庫

 女性作家ということもあって、心理描写が電撃文庫内でも格段に優れている作品。
 過剰なキャラクター設定がある種のゲーム的リアリズムにおいて真実を描き出すのです。
 そこらへんで売られている下手な純文学よりよほど心理描写ができていると思うのは僕だけではないはずです。
 みのりん可愛い。可愛いのも、独自のキャラクター設定で他者とのぶつかり合いが絶妙だからです。
 この作品は主人公も評価しないといけませんね。下手なライトノベルで描かれがちなヘタレ主人公とは違い、彼は大いに悩んで自分の道を切り開いていく。そして有能。
 ファンタジーなどのジャンルに頼らない、こういう良作ラノベが続出するといいですね。

とらドラ! 4 (電撃文庫 た 20-6)

とらドラ! 4 (電撃文庫 た 20-6)