都営バス上69系統

 個人的おすすめ路線の一つ。東京の新たな側面が発見できるかもしれないので、是非乗ってみてはいかがだろうか。ちなみに、車種は日野中型ロング車が使われることが多く、運が良ければいすゞエルガのフルフラットノンステに乗ることができるかもしれない。

 小滝橋車庫を出たバスは高田馬場駅で山手線と交差。馬場から早稲田まで続く学生街を通り、途中松竹劇場が右手に見える。このあたりは飲食店が多く、早稲田の学生が利用しそうなラーメン屋などが充実している。
 高田馬場二丁目バス停のある馬場口交差点を過ぎると、神保町に次ぐ古本屋街である早稲田古本屋街だ。西早稲田のバス停までおびただしい数の古本屋があるので、途中下車して数時間のんびりと本を探すのもいいだろう。古本屋の路地裏を抜けると「いもや」という低価格の天ぷら屋があり、店員がややおっかないが、これがすこぶる美味しい。天ぷら定食で600円程度。ご飯は残さず食べよう。
 甘泉園公園の側を通り、バスは都電通りに出る。上野公園方面へ向かう場合、都電の線路をまたぐので面白い。グランド坂下が都営バス早稲田営業所の最寄りバス停。副都心線と並行して走る池86系統はここの所轄。
 関口の近くには漫画図書館があるそうだ。そのままバスは広い道路を走り、やがて高速道路と合流。小滝橋からずっと同じ道路を走ってきた九段下行きの飯64系統はこのあたりでお別れし、上69系統は大きく左に曲がっていく。ここのバス停が「大曲」と、某新幹線の駅名を連想させて面白い。ちなみに、飯64系統も上69系統もそれぞれ日中15分程度待てばやってくる比較的利用しやすい路線である。
 首都高を離れ、伝通院前を過ぎると都02系統の走る春日通りと合流。春日は文京区シビックセンターの最寄りバス停。ここから都02乙系統は分離して東京ドームシティーや一ツ橋へと向かう。一ツ橋行きは朝の限られた本数しかないため、僕も攻略したことのない区間だ。神保町の最寄りなので一度は利用してみたい。
 本郷三丁目付近も古本屋が多い。ここは東京大学のお膝元。神保町の近くまで走る飯64系統とセットで乗れば、東京の書籍文化を網羅できるといえよう。
 湯島三丁目のバス停は道を大きく左側に入り、さながらバス専用道路のような場所に入るので見どころの一つだろう。ここから先、上野広小路までの区間はいつも渋滞している時間の掛るポイントだ。急いでいる場合は湯島三丁目で降車し、歩くことをお勧めする。
 バスは中央通りに出ると上野広小路で時間調整を行う。アメ横や上野松坂屋御徒町駅群(JR御徒町上野御徒町仲御徒町上野広小路)などの最寄りであり、ちょっと歩けば秋葉原電気街へも足を延ばせるアクセスの要衝。
 終点は不忍池近くのちょっとポルノ店がひしめく上野の裏側的な場所になる。京成上野駅はここからのアクセスが便利。
 上69系統はある意味飯64系統と都02系統の一部がそれぞれ直通運転しているような路線だ。ただし、上69系統は上野公園で終点を迎えてしまうのに対し、都02系統はそのままずっと錦糸町までひた走る。いずれにせよ、見どころの多い名路線だと言えよう。