木々高太郎「人生の阿呆」創元推理文庫

 著者は慶應大学の教授で、かつてパブロフのもとで学んだ心理学者でもある。「人生二回結婚説」などといったユニークな論の展開、頭脳パンの開発などを行ったが、本人は推理小説にも興味があり、「探偵小説芸術論」を実践するために本書を書いた。推理小説業界に大きな影響を与えた論だったが、残念ながら本書が彼の思想を100%発揮した作品だとは言えない。直木賞受賞作。

人生の阿呆 (創元推理文庫)

人生の阿呆 (創元推理文庫)