どうぶつはまりん号

2008年3月、日吉〜中山間に横浜市営地下鉄4号線通称グリーンラインが開通した。
日吉からセンター南北までわずか10分程度。その利便性より、我が家の休日における買い物先も従来の川崎から港北ニュータウンの方へシフトするのではなかろうかと考えられていた。実際、何度か東急まで映画も見に行ったし、周辺の散策も行った。部屋の本棚を買ったのもこっちのほうだった。

しかし、長くは続かなかった。

川崎日航ホテル近くの紀伊国屋書店は潰れたものの、京急川崎駅前のTOHOシネマズが入っている建物になかなかいい書店があり、映画館も充実、他にも様々な店が揃っていることにより、結局のところ川崎市民は川崎(そしてたまに溝の口)での休日利用を余儀なくされるのであった。

というか、センター北よりも大宮の方へ何十倍も出かけている気がする。

そんなわけで久しくグリーンラインには乗っていなかったが、本日たまたま綱島駅から高田駅まで30分ほどかけて歩く機会があったので、せっかくだからと乗ってみることに。

まず、高田駅の構造にびっくり。車内からホームを眺める限りちっちゃい駅にしか見えなかったが、エレベーターで下ると壮観ね。もう少し深ければ要塞みたいになる。

そしてやってきた列車になにやら変な愛称がついている。車内も車外も広告は三ツ矢サイダー

車内はまさにジャングル。キリンだかなんだかよくわかんない生物にはまりんが寄生していたり、扉部分にも謎の生物がひしめいていたり。何よりもインパクトがあるのが、グリーンライン最大の見せ場とも言うべき広い窓にべっとりとくっついた某霊長類の姿である。かなり異様。

このチンパンジー、座席に座ってみるとすごい。左右の窓ほぼ同じ場所に貼られている。そして地下鉄が地下区間を走行中、窓にはちょうど反対側のチンパンジーの姿が反射して映され、さながらトンネルの壁にもチンパンジーがうっすらと貼り付いているように見える。そしてこの現象は両側で生じるから、ここの定位置に座った人は4体のチンパンジーによって見つめられている形になるのだ。

視線を感じる。こうしてチンパンジーに見つめられていると、2001年宇宙の旅でオベリスクに見つめられているような、変に哲学的な気分になった。

そう、今まで我々は肝心なことを忘れていたんだ。我々もしょせんは哺乳類に過ぎないということを。

高田から日吉まであっという間だった。実に有意義な4分間だった。

調べてみたら横浜市交のホームページにラッピング電車の時刻表まで載っていやがった。こんなもの載せるくらいならもっと400系の時刻とか出して欲しいのに。横浜市なら、ラッピングバスとかさ。ERIPとかさ。


恐るべし、グリーンライン