加須、羽生ツアー

kikuties2009-01-21

 テストがほぼ終了し、なにかと運動不足だったので運動しようと決意。歩き中心のさいたま紀行プランを実行。
 区間快速の快適さは異常。東武動物公園と久喜でそれぞれ乗り換えし、加須駅から最初に向かったのは十万石まんじゅうの加須店。加須駅にある「かぞマイン」というスーパーでも購入可能だが、今日は駅から15分ほど歩いたところにあるちゃんとした店舗にも行ってみた。具体的には国道125号、諏訪神社の隣。
 店内はとてもおしゃれ。席があり、コーヒーが飲めるようになっているらしい。へぇ。
 そして次に向かったのは今日の目的地である加須手打ちうどんの店、福中。加須には「手打ちうどんの店マップ」なるものがあり、商工会が主体となってスタンプラリーみたいなのを行っているが、この店は未加盟であるにもかかわらず、mixiの加須うどんコミュでおそらく人気ナンバーワンの店なのである。
 路地裏にあって結構わかりにくい。駅から歩くと25分くらいかかる。ただし、鴻巣駅加須駅から加須車庫行きの朝日バスに乗り、終点の加須車庫で降りれば店まですぐである。今度試してみよう。
 これで加須うどんの店も5店舗目。大学内の通説でラーメン二郎を5店舗以上巡礼すると「ジロリアン」の称号が与えられるらしく、今回加須うどんでそれを達成した自分はさしずめ「カゾリアン」といったところだろうか。
 天ぷらうどん大盛りを注文。かなり庶民チックな雰囲気。店内は平日であるにもかかわらず結構賑わっていて、おそらくmixiコミュの噂通りジモティー(=ロミオ語で地元民)の隠れた人気店なのだろう。
 食べてみた。

 うまい、うますぎる。
 「コシの強さ」と「のど越し」の並存が加須うどん最大の特徴。つゆは少し甘めで(自分の味覚が間違っていなければ)ほのかに柚子の味がする。
 そしてなんといってもこの麺。「手打ち感」たっぷりの素朴な麺で、ちぢれ麺というかなんというか、麺の太さが麺によってまちまちで、見た目が洗練されているわけではないけれども、これが本物の手打ちうどんじゃないかなと思った。とにかく、ツルツル喉を通るのにしっかりとコシがあって、mixiコミュナンバーワンの実力も頷ける。はい。
 加須うどんと言えばごまだれの冷汁うどんが人気で、駅にほど近い「赤城屋」がお勧めだけど、冬の暖かい一杯も格別。
 さてさて、食後はとにかくウォーキング。
 不動岡公園をぶらつき、次に向かったのは関東三大不動尊である總願寺。不動岡不動尊としてジモティーに親しまれているそうで。ちょうど改修工事の途中らしかった。しかしそれでもかなり立派な寺だった。毎年節分祭は賑わうのだとか。
 そしてお不動さんの門前に御家宝武蔵屋の本店が。
熊谷のが有名だがこちらも老舗で、予約すると御家宝の製造工程見学ツアーも可能なんだとか。そこらで売っている御家宝とは違い、砂糖が控えめでとても味わい深い逸品。
 武蔵屋の他にも御家宝を扱っている店がお不動さんの門前には点在し、さらにうどん屋も十数軒以上見受けられた。加須市も田舎は田舎だが、昔からの伝統はしっかり息づいているようで何より。

そしてこの後、道に迷った。

結論から言うと、印刷してきた地図が間違っていた。
 お不動さんから北上し、国道125号線に出て左折、そのまま羽生方面へ歩いていこうとしたのだけれども、なんか看板にはよくわからない地名が書いてある。そのまま歩いていって見たけど、どうも怪しい。自分はどちらかというと東から西へと移動しているはずだった。しかし、曇天の空にうっすらと浮かぶ太陽は自分の右手側にあった。いつから日本は南半球の国になってしまったのだろうか。
 明らかにおかしいので国道125号を逆に歩いてみた。同じ場所を通り過ぎ、さらに進んでいく。すると、目に入ってきたのは朝日バスの加須車庫だった。ここで謎が解けた。
 加須車庫はお不動さんよりも南にあるはずだった。つまり、地図上でお不動さんの北にあった道路=国道125号というのは間違いで、お不動さんよりも南にある道路が125号だったのである。自分は適当にあるいてお不動さんよりも南下していたのだった。
 まあ、この道をひたすら歩けば目的地に到達する。

 だいたい、田舎のバイパスは歩行者が歩くことを想定して作られていない。歩道が右側にあったかなと思ったら、いつの間にか左側にうつっていて、横断歩道もないのにどこを歩けば良いんだ。そしていつの間にか両側とも歩道が消え失せる。こういう道は自家用車よりもトラックの方が激しく往来し、往々にしてスピード自重せずに脇を通過していくので、身の危険を切に感じる。
 田舎道は田舎道なんだけど、第二次産業関連施設もわりと多い。秩父でセメントこさえて、秩父鉄道で羽生まで持ってきた名残なのだろう。鉄鋼とかが目立つ。
 あとはひたすら田舎道。途中、バイパスはほとんど自動車専用になって、伊勢崎線の線路を越えた。跨線橋部分は多分宇都宮氏が見たら興奮するような良い撮影スポットなんだけど、なにぶん背後をトラックが高速で通過していき、生きた心地がしないので10分に1本(+特急)しか来ない列車を待つ気にはなれず、そのまま歩いていった。

データを記そう。加須駅に列車が到着したのは11時50分頃。途中うどん屋で30分ほど休憩したのを除けば、目的地に到着した2時15分までほとんど歩きっぱなしだったのである。そして後述するが最終的な目的地は南羽生駅で、加須駅から南羽生駅までは一区間だが5キロくらいある。この5キロというのはあくまでも直線距離で、いろいろ迂回しながら行ったのでもっと歩いたんじゃなかろうか。

ようやく目当ての交差点に到着。ここを右折すると道路が太くなり、なんとなく人が住んでいる感が感じられるようになってきた。川を渡って加須市から羽生市へ侵入。

ほどなくして目的地、「湯ったり苑」に到着。ここからは温泉パート活動。

 埼玉県には温泉街はほとんどないものの、このようなスーパー銭湯型天然温泉が各地に点在していて、今回訪れた羽生湯ったり苑は自分が行った施設の中でダントツでトップクラスの施設だった。
入館料は700円。多分これが神奈川県だと2000円くらい取られる。しかし、施設はツウも唸る手の行き届きぶり。
 靴のロッカーと脱衣場のロッカーの近くに両替機がある。施設はとても広い。楽しい楽しい。
 
 源泉湯というのは46度くらいの源泉がそのまま使用されていて濾過も加水も行っていない、本当の天然温泉に入れる浴槽。お湯は緑色っぽい。
 常泉湯は源泉湯にちょっと加工して、褐色になったお湯。温度が調節されていて長湯に最適。
 その他、特にことわりがない場合は温泉ではなく通常のお湯が使われている。これがコスト削減の秘訣なのだろう。多分、無駄に温泉を全ての浴場で使って施設を整えると2000円くらいいってしまうんだと思う。個人的には、温泉の浴槽で温泉に入ることができればまったく問題はないし、安くてありがたい。
 湯腰掛なんてユニークな施設が。要は足湯なんだけど、背中にお湯が流れていて暖かい。この他、この浴場は全て石材をテーマに様々な工夫がなされていた。
 そしてひたすら楽しいのは外にある露天風呂の数々。外にも天然温泉を用いた源泉湯、常泉湯があるのはもちろんのこと、もはや以下のHPを参照していただいた方が早いのだが、とにかくいろんな湯トラクションがあって楽しい。
http://www.yuttarien.com/hanyuu/onsen_r.htm
 特筆すべきは蒸気房と寝ころび湯。
 蒸気房はいわゆるスチームサウナで、ちょっとした建物の中の中に入ると、足下にお湯が漂っていて、部屋の中は真っ白で何も見えない。特に眼鏡を外した状態だともう何がなんだかわからない。目を凝らして見ると、左側に人間らしき物体が何人も椅子に腰を掛けている。どうやらこっちで空いている場所を探して座れば良いんだろう。
 なんとか空いている席を見つけて座ることが出来た。確かに低温サウナ。しかし濃霧状態で何も見えない。伊勢崎線の遅延原因はこれだったのかあと馬鹿なことを考えながら汗を流した。しかし、「惑星ソラリス」のワンシーンというべきかなんというか、足下にお湯があって前が真っ白という空間はなかなかワクワクするのでお勧めである。
 そしてもう一つは寝ころび湯。
 見た目はパッとしない。しいていうなら、サンライズエクスプレスのノビノビ座席を石材で作って、お湯をぶっかけたような感じである。しかし、寝ころんでみるとこれは快適。横になった状態で仮に身体の背中側を下半身、お腹側を上半身と定義すると、上半身は外の空気にさらされ、下半身はみちみちるお湯でしっかり暖めてくれるので、のぼせることなくグダーとしていられる。疲れている時には最高。ここは思わず長居してしまった。
 浴場以外の休憩スペースも充実していて、寝ころび処という場所には畳が敷いてあり、みんな浮浪者みたいに雑魚寝している。暗めで静かな場所であり、十分な仮眠を摂ることができるだろう。もちろんお食事スペース、軽食コーナーもある。半日くらい遊んでいられそうだ。これで700円(平日料金)は安いと思う。まるで昼間に寝られる旅館みたいだ。

湯ったり苑は南羽生駅から歩くと10分くらい。超お勧めしますよ。空いている時間を狙って足を運んでみて下さいな。

帰りは特急もうりょう号で帰宅。いい運動になった日であった。